長野県の南端、天竜川の渓谷の斜面に茶畑が広がる天龍村で「やっさ」こと安男さんは長年お茶作り続けてきました。無農薬、有機栽培、除草剤不使用、超浅蒸し。栽培から製茶まで安男さんのこだわりがつまったこちらのお茶は、渋みが少なく、ゆたかな甘みが口いっぱいに広がります。夏には水出しにしてもおいしいお茶です。
天龍川の深い霧がおいしいお茶をつくります
やっさのお茶の原産地は天龍村の中井侍という集落です。長野県の南端、お茶どころ静岡県境に位置する天龍村の中でも、山間の斜面に貼りつくように茶畑がひろがる中居侍地区は、とりわけ深い渓谷にあり、みじかい日照時間、深い霧、独特の製茶法もあいまって、良質なお茶の産地として知られています。
高低差365メートル、平均斜度約27度の急斜面に張り付くように茶畑がひろがっています。農家の数は数十軒と決して多くはありません。
村の上からの景色。真下を流れる天竜川からのぼる深い霧がお茶をおいしくします。
やっさと美沙さんの共同作業
やっさのお茶をつくっているのは、「やっさ」こと森下安男さんと前田美沙さんです。長年の中居侍でお茶作りとその研究をつづけてきた安男さんですが、ひとりでお茶作りをつづけていくことが大変になってきた矢先、地域おこし協力隊で中居侍にやってきた美沙さんと出会いました。最初はお茶作りをするつもりではなかった美沙さんが、安男さんのお茶に魅了され、お茶の栽培にかかわるようになっていきます。今では安男さんの指導と指示のもと、二人で「やっさおのお茶」を育てています。
やっさのお茶をつくっている森下安男さん(右)と前田美沙さん(左)
中居侍地区でも中心からはずれた高度の南側に位置する安男さんの農園。急な斜面の下は天竜川、その対岸の集落が見えています。
2019年5月の収穫の様子。
収穫は地域の人たちが手伝いにやってきます。
2019年は私たち茶色もお茶摘みをお手伝いささていただきました。
有機栽培、超浅蒸し、こだわりのつまった甘いお茶
やっさのお茶の特徴は、まず第一に渋みの少ない甘い味わいにあります。これは中居侍地区の日照時間が短いこと、天竜川からたちこめる深い霧、そして、安男さんが工場長をつとめる地区の製茶工場での「超」浅蒸し製法によるものです。一般的な深蒸し茶が60秒〜120秒の蒸じ時間なのに対して、中井侍のお茶の蒸し時間はなんと20秒だといいます。
安男さんの農園では、農薬や除草剤はもちろん、動物性の肥料もいっさい使用していません。余計なものは使わず、土から丁寧に育てることで、いつまでも飲みつづけられる、安全でおいしいお茶が生まれます。
安男さん美沙さんのお茶作りについてはこちらの記事をどうぞ
取材記事:霧深い秘境で育む、こだわりの煎茶
おいしい煎れかた
温かく
やっさのお茶のいれかたのポイントは沸騰した100℃のお湯でいれないことです。お茶は熱いお湯でいれるほど渋みや苦味がつよくでます。甘みが魅力のやっさのお茶は、その甘みをより引き出すように、70〜80℃程度の熱すぎないお湯でいれるのがオススメです。
- 急須やポットをあたためておきます。急須やポットがなくても蓋ができてお湯をいれられる器なら問題ありません。
- あたためた急須に茶葉をいれます。湯40ccに茶葉1gが目安です。したがってお湯200ccでは5gになります。お茶は茶葉が多いほど濃くなります。
- 急須にお湯を注ぎます。お湯の温度は緑茶の場合80〜70度が目安です。温度が高くなるほど、渋みや苦みが強くなります。
- 蓋をしてお茶を蒸らします。抽出時間は30秒程度からおいしくいただけます。長くなるほど濃くなります。
- 器に注いでいただきます。お茶は茶葉にもう一度お湯を注ぐことで何煎も繰り返し飲むことができます。2煎目以降も風味のちがいをお楽しみいただけます。
冷たく
夏には水出しもオススメです。茶葉を水につけて一晩でおいしい水出し茶ができあがります。水出し茶は渋みや苦味がでずらく、スッキリした味わいで、やっさのお茶のおいしさをしっかりあじわえる飲み方です。
- 大きめのピッチャーなどの容器に茶葉をいれます。茶葉は1000ccに5gが目安です。茶葉が多いほど濃くなります。
- 茶葉のはいったピッチャーに水をそそぎます。急ぎの場合は水の代わりに少量のお湯をそそいで、すこしお茶の味や香りを出してから、残りの水や氷を足して冷やすと、短時間で抽出できます。
- 冷蔵庫で冷やしながら抽出します。6~12時間ほどしたらできあがりです。
煎れ方はあくまで目安です。ここではCHAIROスタッフがよくやる簡単な入れ方をご紹介しました。おいしくたのしくお好みのいれかたを見つけてみてください。
やっさのお茶
日本 緑茶 50g 1900円(税込)
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